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デニム回顧録3 | 疾風のように現れて疾風のように去っていったケミカルジーンズが再熱

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フェンチジャパン、プレスの安部です。
デニム回顧録3
ケミカルジーンズの台頭と終焉

瞬く間に広がりを見せたケミカルウォッシュ

1960〜1970年代まではせいぜいワンウォッシュくらいのGパンが一般的だったが、1980年に入るとその様相は一気に変わり加工ブームに。その加工は化学薬品を使ったケミカルウォッシュというもので、最終的には過激になりすぎて下品になってしまったのも敗因だったのではと思う。元々はジーンズを履きつぶしてその経年変化や色落ち感を楽しむものだったのが、この加工によって初めから欲しい色合いや色落ち感が手に入るようになったのも一気に人気になった要因でもあるように思う。ケミカル加工のジーンズはデビューするやいなや瞬く間に話題となり、ジーンズの市場を席巻することになる。

「ジルボー」が開発したストーンウォッシュ

筆者はまずはストーンウォッシュという加工に衝撃を受けたのだが、その後に続くケミカルウォッシュ加工は更に目を見張るものがあったのを覚えている。過激すぎない最初の頃は、そんなに悪いものでもなかったように記憶している。ちなみにストーンウォッシュは筆者が詳しく知る前から存在はしており「マリテフランソワジルボー」というブランドが発明したようだ。個人的にも20代大好きなブランドでもあり、かなりお世話になったブランドでもある。

黒人ラッパーも愛用し世界的なブームへ

さて、話をケミカル加工に戻すとしよう。ケミカルウォッシュは洗剤(漂白剤)と砂利大の樹脂塊などと一緒に洗濯機を回して人工的にダメージを作り出す加工の一種で、日本では1980年後半に大流行したように思う。そのイメージはそれまでの履き込んで色落ちさせたものとは明らかに違い、色むらを楽しませるような加工でダメージ加工という雰囲気ではなかったがそれでも履き込むという習慣がない人やずっと同じものを洗わずに履き込んでジーンズを楽しむというようなことが嫌な人、面倒な人にはまさにうってつけの加工だったのかもしれない。更に時代はピップホップミュージシャンの黒人ラッパーなどからの愛用などもあり世界的にも大きなムーブメントになっていたように思う。日本においては下品になイメージがつき始めてからだったかは定かではないが、ヤンキーにもその人気は飛び火した。ケミカル加工のボンタンタイプ(太くて裾が細くなってるスタイル)がまさにヤンキー達の御用達だったように記憶している。

ブームは去ったが、20年の時を経て再熱

ケミカルウォッシュブームの後半には過激になりすぎて、もはやウォッシュ加工ではなくプリント柄のような感じにも見え、それが最終的にはダサく写るようになり、徐々に時代遅れのアイテムとして履いてるだけでバカにされるような風潮が感じられた。ブーム後値段が大幅に下がったケミカルジーンズを東南アジア人が好んで履いてたのも記憶に新しい。しかしファッションというものは面白い。時代は繰り返すというか、流行ものが終焉を迎えても一巡すると不思議なものでその時代遅れと言われたケミカルウォッシュは2010年代以降の「80年代テイストファッション」の流行に乗って、10代向けの商品として再流行しているのだから面白い。当時を知る人間にとっては「今更ケミカル?」かもしれない、しかし今を生きる若者にとっては全く新しいトレンド商品としてケミカル加工を楽しんでいるということ。今は更に当時よりも加工技術は上がりケミカル加工も単なる当時の加工ではなく色々な加工と掛け合わせたハイブリッドなケミカルウォッシュとなってるので、当時を知る人でも新たな目線で見てみるとまた新たな発見もあるかもしれません。

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